和2年12月24日に、総務省消防庁内に「消防団員の処遇等に関する検討会」が設置され、文字通り、各市区町村で消火活動や災害救助に当たる消防団員を確保するため、待遇改善に向けた検討が始まりました。
図の通り、令和2年4月1日時点の消防団員数は、818,478人となっており、対前年比で13,504人の減少となっています。
これまでも、2005(平成17)年に機能別消防団員・分団員制度、2006年に消防団協力事業所表示制度などを経て、2013年には「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が制定され、2014年には、消防団の装備の基準を示し、装備の充実を図るために、同法が改正され、併せて、消防団員の退職報償金の引き上げや学生消防団活動認定制度の導入、消防団員等の公務災害補償に係る補償基準額の引き上げなどが実施されて来ました。
このような制度の充実にも関わらず、団員の減少及び高齢化に歯止めがかからないため、いよいよ年額報酬や出動手当の実態調査に踏み出し、令和3年の夏頃までに結論を出すこととなりました。
自分たちが生活する地域を自らの手で守るという崇高な志に支えられている消防団にとって、報酬や手当の問題は、その性質上、タブー視されてきた経緯があります。志と金銭という関係は悩ましい問題ですが、地域の安全安心を人的に確保するために、避けては通れない議論となったということだと思います。今後の議論に注視します。